先に、今日の結論を置いておきます。
この記事の最後に、アプリがふたつ置いてあります。 ひとつめは、朝の持ち物確認をする「もちものチェッカー」。この記事を作る過程で、人間が ゴールをひとこと伝えただけ で、AIのチームが設計し、組み立て、検査して完成させたものです。かかったのは、その日のうち。ふたつめは——その後の「追加注文」から生まれました。それは後ほど。読み終わる頃には「アプリは作るものではなく、注文するもの」という感覚が、すこし分かっていただけると思います。
以前の記事で「システムは業者に頼むもの——それ、もう古いかもしれません」と書きました。今日はその続編です。あのときは「AIに相談できる」ところまでをお見せしました。いまのAIは、相談のさきの、製作まで やるようになっています。ほんの少し前まで上級者の技だったことが、いまでは中級——いえ、それ以下の頼みごとになりました。
朝の送り出しのとき、持ち物の確認がいつもバタバタで。チェックリストのアプリを探したんですが、広告だらけだったり、字が小さかったり……。「うちの朝」に合うアプリって、無いんですよね。
探しても無いなら——作りましょうか。今から。ご注文は、欲しい暮らしをひとこと言っていただくだけ。設計も、組み立ても、検査も、私たちAIチームの仕事です。
人間のする仕事は、この一言だけ
今回、実際にAIへ送った注文がこちらです。これが、人間側の仕事のほぼすべてでした。
専門用語は、ひとつも入っていません。「何ができてほしいか」と「何をしてほしくないか(データを外に送らない)」を、暮らしの言葉で言っただけです。
ここからAIチームが動く ― 設計、組み立て、検査
注文のあと、何が起きたか。舞台裏を配役つきでお見せします。
せっけい係 が、まず注文を仕様に翻訳します。「リストは3種類・切り替え式」「ボタンは指一本で押せる大きさ」「全部そろったら『よし、出発!』と表示」「日付が変わればチェックだけ消える」「保存はスマホの中だけ」——人間の一言が、作れる形の箇条書きになります。
くみたて係 が、それをプログラムにします。今回のアプリは約300行。人間がこの分量を書けば半日仕事ですが、AIは数分です。
そして今回いちばんお見せしたかったのが けんさ係 です。組み上がったアプリを実際に動かして、粗探しをします。今回、実際に見つかった指摘はこうでした。
- 水筒の絵文字が、機種によって別の道具に見える → 別の絵文字に差し替え
- 説明文に誤字(「毎朝じぶんでリセット」→「自動でリセット」に修正)
- 「昨日のチェックが今朝も残っていないか?」→ 日付を一日前に偽装してテストし、ちゃんと消えることを確認
大事なのは、この 「作る→動かす→直す」のループが、勝手に回る ことです。人間は途中、出てきたものを見て「ここはこうしてほしい」と言うだけ。プログラムを1行も読まなくても、注文主が務まります。
追加注文 ― 「買い物版も、たのむ」
実はこの記事、下書きの段階で編集部からこんな追加注文が入りました。
持ち物チェッカーも良いけれど、買い物チェッカーが良いのでは。出かける前に「買うもの」を決めておく習慣は、無駄な出費をおさえることにもつながる。行き先を「スーパー」「コンビニ」……のように切り替えられると面白い。
AIチームがしたのは、リストの中身と言葉の入れ替えだけ。ほどなく 「かいものチェッカー」 が完成しました。行き先はスーパー・コンビニ・ドラッグストアの3つ。かごに入れるたびにチェックして、全部そろったら「よし、おかいけい!」。決めたものだけ買う——いちばん身近な節約の道具です。
ここに、アプリを“注文する”時代のいちばん面白いところが表れています。ふたつ目からは、さらに速い。一度できた道具は、「うちの場合はこう」というひとことで、いくらでも姿を変えられるんです。
できあがった2つ、さわってみてください
インストールは不要です。下のカードを押せば、その場で動きます(スマホで開くのがおすすめです)。
よく使う方は ホーム画面に追加 しておくと、普通のアプリと同じようにアイコンから使えます(iPhoneは共有ボタン□↑→「ホーム画面に追加」、Androidはメニュー⋮→「ホーム画面に追加」)。一度開けば、電波のない場所でも動きます。リストの中身は「リストを編集」から自由に変えられて、データはお使いの端末の中にだけ保存されます。
正直な注釈 ― 万能ではありません
夢のある話のあとには、正直な線引きを。
- 大きな仕組みは、今も専門家と。 事業所全体の業務システムや、お金・記録を扱う仕組みは、設計や安全の確認に専門的な目が必要です。「その日のうち」で済むのは、今回のような身の回りの小さな道具まで。
- 個人情報を入れるアプリは、慎重に。 今回のアプリが持ち物の名前しか扱わないのは、わざとです。利用者さんの名前や記録を入れる道具は、個人情報の線引きを確かめてから。
- AIの作ったものも、検査してから。 けんさ係がいても、最後に「ちゃんと動くか」を自分の目で確かめるのは注文主の仕事です。ここは鵜呑みにしないの世界と地続きです。
「作ってほしいアプリ」、ありませんか
道具は、使う人の暮らしの形をしているのがいちばんです。そして今、その形に合わせて作ることが、これだけ安くなりました。
「うちの現場に、こんな小さな道具があったら」——そんな種があれば、お問い合わせフォームから教えてください。次の「教えてAIさん」で、第二作の注文をお見せできるかもしれません。
ひとこと: 「アプリを作れる人」の定義が、変わりつつあります。プログラムを書ける人、ではなく、欲しい暮らしを言葉にできる人。それなら、現場のみなさんはとっくに「作れる人」です。
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「こんなこと、パソコンやAIでできる?」というギモンがあれば、お問い合わせフォームからぜひ教えてください。次の「教えてAIさん」で取り上げるかもしれません。