親なき後のページに、支援者向けの記録のしくみ一式を公開しました。聞く・渡す・引き出すの3つで、いずれも GitHub で無料公開しています(MIT ライセンス。複製も改変も自由です)。
対象は、計画相談支援の担当者と、意思決定支援に関わる方です。
清書は、していただかなくて大丈夫です
このしくみでいちばん申し上げたいのは、これです。
面談メモの走り書きでも、事業所から届いた支援記録でも、清書せずにそのまま渡していただければ十分です。「これは禁忌にあたるのか、引き金なのか」「どのページに書けばいいのか」——そうした仕分けを、担当者が判断する必要はありません。
デスクトップに 受付箱 というフォルダを1つ作っていただきます。渡していただくものは、そこに入れるだけです。あとは AI が中身を読み、**どこに何を入れるかを先に宣言します。**違っていれば、その場で訂正できます。
置き間違えても大丈夫です。受付箱は記録される前の一時置き場なので、取り出せば無かったことになります。整理が済むと中身は保管庫へ移り、受付箱は空に戻ります。捨てる操作は要りません。
3つのしくみ
① 聞く — 支援者のための記録ガイド
聞き方の手引きではありません。みなさんはすでに、時間をかけて丁寧に聞き取っておられます。このガイドが扱うのは、作った資料をどう渡すかと、渡したあと何が起きるかの2つだけです。印刷して面談に持っていけます。
② 渡す — 記録テンプレート
無料アプリ Obsidian の上で使う、記録の型の一式です。原本の置き場、ページの雛形、実名の混入を機械的に見つける検査が入っています。架空の利用者を例にした記入例を同梱しているので、実際の書きぶりを見てから始められます。
このテンプレートだけを使って、Obsidian 単体で運用することもできます(下のデータベースは不要です)。
③ 引き出す — くらしサポート
親や家族が積み重ねた「我が子を守る知恵」を、特定の誰かの記憶に頼らず継承するためのしくみです。緊急時には「してはいけないこと」をまっ先に表示します。手帳や受給者証の更新期限も見張ります。
導入マニュアルを用意しました
「システム」や「データベース」と聞くと、身構えてしまうかもしれません。パソコンの操作に不慣れな方を想定した完全導入マニュアルを、②③それぞれに用意しました。ことばの説明から毎日の使い方、うまくいかないときの対処まで、ゼロからひとつずつ進められます。
各手順に「なぜ必要か」を添えました。意味がわかると、安心して進められると思います。
導入作業そのものを AI に手伝ってもらう進め方も載せています。エラーが出たら、意味を考える前にそのまま貼り付けていただければ、何が起きているかを日本語で説明してくれます。ただし、パソコンの管理者パスワードの入力とライセンスへの同意だけは、必ずご自身で行ってください。AI に代わりにやらせてはいけない操作です。
支援の輪の確認事項
②のテンプレートには、支援の輪の点検表も同梱しています。7章31項目。面談の場での関わり方ではなく、本人が決めたことが実際に成り立つだけの輪ができているかを見るものです。
自分に関することを決める権利は、本人にしかありません。これは確かめる事柄ではなく、出発点です。この表が見るのは、その権利が絵に描いた餅にならないための環境が整っているかどうかだけです。
全部に印がつくことは目的ではありません。空欄が見つかったときが、この表の役に立った時です。職員を評定するためのものではありません。印刷用の1枚もの(A4)も入っています。
ご利用にあたって
- ソフトウェアはすべて無料です。ただし AI(Claude)の有料プランが必要になります。無料プランは、入力した内容がサービスの改善に用いられうるため、利用者の情報を扱う用途ではお使いいただけません
- 利用者ご本人・ご家族への説明と同意の進め方は、貴事業所の個人情報の規程に沿ってご判断ください
- **β版です。**仕組みが機械検査を通ることは確かめてありますが、実務の呼吸に合うかどうかは、まだ検証の途中です
作った側だけで確かめられることには、限りがあります。使ってみて違和感のあったところ、現場の言い方と合わないところを教えていただけると、いちばん助かります。