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Googleドライブを、AIの“手”にする ― フォルダごと読ませる3つの道

「道具の入手」の第2回で、Claude に Filesystem という道具を差しました。許可したフォルダの中を AI が読み書きできる、“手”にあたる道具です。あの回を読んで、こう思った方がいらっしゃるはずです。

「うちは Google なんだけど……同じこと、できないの?」

できます。ただし、Google の“手”は1本ではなく3本あって、それぞれ届く範囲と値段が違います。今回はその3本を、無料で使えるものから順に見ていきます。

🧰 特集・Googleの道具箱

この記事は、特集「Googleの道具箱 ― いつものGoogleで、ここまでできる」(全6回)の第5回です。今回の道具:——Claude 版の「Filesystem」にあたる、フォルダの中を読ませる仕組み。

  1. Gemini Canvasで、案内文も議事録も“その場で”仕上げる
  2. スライド作成も、AIさんに“1行”お願いするだけ ― Gemini Notebook(旧 NotebookLM)で資料づくり
  3. AIさんに“最初のお約束”を渡そう ― Gemini Notebook のカスタム指示
  4. AIに“合鍵”を渡すと、秘書になる ― 手帳とメールをつなぐ
  5. Googleドライブを、AIの“手”にする ― フォルダごと読ませる3つの道(この記事)
  6. Gemをつくる ― うちの事情を覚えたGeminiを、ひとり用意する(発展編:Workspace Studioで“流れ”を組む)

手がないと、AIは「貼った分」しか読めない

おさらいです。ふつうに Gemini と話すとき、AI が読めるのは チャットに貼ったもの、添付したもの だけ。事業所の書類が 30 本あっても、1 本ずつ渡さなければ読めません。「フォルダの中、ぜんぶ見て」が通じないのです。

Claude では、パソコンの中のフォルダを1つ許可することで、これを解決しました。Google の場合、書類はパソコンの中ではなく Google ドライブ(雲の上) にあることが多い。だから“手”も、ドライブに向かって伸ばします。

Claudeの道具箱とGoogleの道具箱の対応表。手の行に、Filesystem と Googleドライブ+Gemini が対応している
▲ 「手」の行が今回。Claude の Filesystem に対して、Google はドライブ+Gemini です

道① Gemini アプリに、ドライブのファイルを渡す【無料】

いちばん手軽な道です。Gemini アプリ(gemini.google.com やスマホアプリ)のチャット欄にある 「+」 から、パソコンのファイルだけでなく Google ドライブの中のファイル を選んで渡せます。ドキュメント、スプレッドシート、PDF など、ドライブに置いてあるものをその場で読ませられます。

お願いの例(ドライブから書類を1本渡して) この書類を読んで、①何についての文書か ②職員が今週までにやることは何か ③分かりにくい言葉があればやさしく言い換えて、の順で教えてください。

ただし、これは「手」というより 「1本ずつ手渡し」 です。フォルダごと、とはいきません。毎回選ぶのが面倒になってきたら、次の道へ。

道② Gemini Notebook に、ドライブをつないでおく【無料】

第2回・第3回でご紹介した NotebookLM——2026年7月から Gemini Notebook という名前になりました——は、資料を「ソース」として入れておき、そこから答えたり作ったりする道具でした。

このソースに、ドライブの ドキュメント・スプレッドシート・スライド を入れておくと、ドライブ側でファイルを直したときに、ノートブックの中身も自動で追いかけてくれる ようになりました(2026年5月末から順次)。以前は「ドライブで直したら、ノートブック側でも入れ直し」だったのが、入れっぱなしでよくなったわけです。

やること Gemini Notebook で新しいノートブックを作る → 「ソースを追加」→「Google ドライブ」→ 読ませたい書類を選ぶ。あとは、ふだんどおり質問するだけ。
ここは正直に

自動で追いかけてくれるのは、Google の形式(ドキュメント・スプレッドシート・スライド)のファイルです。PDF や画像は入れられますが、直しても自動では追いかけません。また、入れるのはファイル単位です。「フォルダを指定したら中身ぜんぶ」ではないので、書類が増えたら足してください(2026年8月23日時点の確認。今後変わる可能性があります)。

“申し送りノート”の Google 版を作るなら、この道がいちばん近い。「相談の要点」「決まったこと」をドキュメントに書きためておき、そのドキュメントをソースに入れておく。ドキュメントに1行足せば、ノートブックの AI もそれを知っている——という形になります。

道③ ドライブの中で、Gemini にフォルダを指定する【有料 Workspace】

3本目が、いちばん Filesystem に近い道です。職場で 有料の Google Workspace(Business Standard 以上)をお使いなら、ドライブの画面に Gemini のサイドパネル が出ます。ここで フォルダを指定 して「このフォルダの中で」と頼むと、フォルダの中のファイルをまとめて読んで、要約したり、探したり、横断して答えたりしてくれます。フォルダを開いたときに出る「このフォルダを要約」のようなボタンが入口です。

お願いの例(フォルダを指定して) このフォルダの中の書類から、「送迎」について書いてあるところをぜんぶ拾って、ファイル名つきで一覧にしてください。
プランのこと

ドライブやドキュメントの中に出る Gemini のサイドパネルは、2026年8月時点では Business Standard・Business Plus・Enterprise の各プランに含まれています。いちばん安い Business Starter や、無料の個人アカウントでは出ません。職場のプランは、Google 管理者の方か契約書でご確認ください。

3本の手を、並べてみると

読ませ方届く範囲費用
① Gemini アプリドライブから1本ずつ渡す渡した分だけ無料
② Gemini Notebookソースに入れておく(Google形式は自動で追いかける)入れた分だけ。直しは自動無料
③ ドライブのサイドパネルフォルダを指定するフォルダの中ぜんぶ有料 Workspace(Business Standard 以上)

Claude の Filesystem とのいちばんの違いは、「書く」側です。Filesystem は AI がフォルダの中に新しいファイルを作れました(だから「申し送りを書いておいて」が成立した)。Google の3本の手は、どれも 「読む」が主役。AI に書かせたものは、Canvas(第1回)からドキュメントに書き出す、という一手間が要ります。この「書く」を自動にする話が、次回の発展編に出てくる Workspace Studio です。

🙂

無料の②だけでも、けっこう近いところまで行けるんですね。

🤖

はい。「うちの事情を書いたドキュメント」を1本作って、Gemini Notebook のソースに入れておく——それだけで、私はその事業所のことを知っている状態から話を始められます。フォルダまるごとが要るかどうかは、書類が増えてから考えれば大丈夫ですよ。

気をつけたいこと ― “見せるフォルダ”の作法は、同じ

  • 専用のフォルダ・専用の書類にする —— Filesystem のときと同じです。ドライブの全部ではなく、「AI に見せる」と決めたものだけを1か所に。
  • 個人情報の線引きは、ここでも同じ —— 利用者さんの名前・生年月日・健康のことが書かれた書類を、そのまま AI に渡さない。AIに話していいこと、いけないこと の置きかえの考え方を、書類にも当てはめてください。
  • 職場で使うなら、職場のルールを先に —— 有料 Workspace の場合、AI に何を見せてよいかは管理者の設定と職場の方針で決まります。

むすびに ― 手は伸びた。次は“うちのやり方”を覚えさせる

これで Google の道具箱にも、机(Canvas)・ノート(Gemini Notebook)・合鍵(手帳とメール)・手(ドライブ)がそろいました。最後に足りないのは、「毎回説明しなくても、うちのやり方で動いてくれる」こと——Claude でいう スキル です。次回は、Google 版のレシピカード Gem を作ります。そして発展編として、有料 Workspace で“流れ”そのものを組む Workspace Studio まで。

あわせて読みたい:AIに“手”を持たせる ― 最初のコネクタ Filesystem(Claude 版)AIと“申し送りノート”を持つ

「こんなこと、パソコンやAIでできる?」というギモンがあれば、お問い合わせフォームからぜひ教えてください。次の「教えてAIさん」で取り上げるかもしれません。

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